FIP基礎ガイド
猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?初期症状・原因・診断方法
猫のFIPでみられる初期症状、猫コロナウイルスとの関係、獣医師が診断時に確認する検査を整理します。
2026年8月8日更新FIPとは
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウイルス(FCoV)に関連する全身性の炎症性疾患です。猫コロナウイルスに感染したすべての猫がFIPを発症するわけではなく、便のPCR検査や抗体検査が陽性という結果だけでFIPと確定することはできません。
若齢猫、多頭飼育環境の猫、免疫状態に影響を受けている猫では注意が必要ですが、年齢や生活環境だけで診断することもできません。
初期にみられることがある症状
FIPの初期症状は他の病気でも起こるため、症状の組み合わせと経過が重要です。数日続く発熱、食欲低下、体重減少、元気消失などがみられる場合は早めに動物病院へ相談してください。
- 抗菌薬で改善しにくい持続的な発熱
- 食欲不振、体重減少、成長不良
- 元気がない、隠れる、活動量が減る
- 腹部の膨らみ、呼吸が速い・苦しそう
- 黄疸、眼の濁り、瞳孔の左右差
- ふらつき、けいれん、行動の変化
獣医師はどのように診断するか
すべての症例に共通する単独の確定検査はありません。獣医師は病歴と身体検査に加え、血球計算、血液生化学、A/G比、炎症マーカー、超音波・X線検査などを組み合わせて可能性を評価します。
胸水や腹水がある場合は、液体の性状、細胞診、生化学検査、適切なPCRや免疫染色が判断材料になります。非滲出型では病変組織の検査が必要になることもあります。検査結果は必ず臨床所見と併せて解釈します。
受診前に準備できる情報
- 症状が始まった日と変化の記録
- 毎日の体重、食欲、体温、呼吸状態
- 過去の血液・画像・PCR検査結果
- 同居猫、最近の移動、既往歴
- 現在使用中の薬やサプリメント
緊急受診が必要な徴候
呼吸困難、虚脱、けいれん、意識状態の変化、飲食できない状態、急速な衰弱がある場合は、ウェブ情報を待たずに救急対応可能な動物病院へ連絡してください。
REFERENCES